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おっさんのロックンロールな日記

就業規則の見直し方
 広島県内にあるマツダの工場内で,元・期間工の男が乗用車を暴走させました。11人が死傷しました。以前に東京・秋葉原で,同様の事件が起きた時,事件を起こしたのは25歳の青年でした。今回,事件を起こした男は,僕と同じ世代の42歳でした。


 やっぱり,複雑ですよねぇ。同世代の人間が,こういうことをやると・・・・。無論,被害者の方達や,その家族は,気の毒です。「マツダをクビになり,ムシャクシャしてやった」などと言っている男に,マスコミは容赦ない批判を浴びせています(まぁ,当然だが)。
 何が,彼を追い詰めたのか?静かに,今後の行方を見守りたいと思います。



 丁度,そんな中,北見昌朗さんなる方の書いた「就業規則の見直し方」という本を読みました。「サーヴィス残業・労使トラブルを解消する」という副題が付いています。東陽図書館で借りているものです。


 この北見昌朗さん,北見式賃金研究所なる所の所長さんです。確かに解りやすい。「なるほど」と思う部分も多いし,例に挙げられた話(多くは,会社が訴えられたり,労働基準監督署に乗り込まれて,経営者が震え上がる)も大変に面白い。しかし,です。申し訳ないけれど,「理想的」過ぎるのです。申し訳ないけれど,「甘い」のです。笑ってしまった。


 それというのも,就業規則モデルに「管理職に対する特別な遵守事項」と「管理職に対する特別な懲戒事由」というのが,含まれているからです。社員のサーヴィス残業や成績不良などを懲戒対象として,それをさせた管理職は監督責任を問われるなどとしています。そんなことを改定案に含むのは,正直言って無理です。


 だってさ,就業規則改定案は,管理部門(人事とか総務)の社員によって作られるでしょう。当然ですが,経営陣に検討される前に,管理部門の管理職がチェックを入れます。そこで,握り潰されるのです。OKが出るワケないでしょう。自分の首を絞められかねないっていうのに。OKが出ないばかりではない。案を作った社員は,睨まれるに決まっている。それは,人事考課における報復にも繋がる可能性だってあるということです。


 管理職なんて,所詮,自分の立場を守ることしか考えていませんから。本当ですよ。どこでも同じ。言い切れる。そうじゃなきゃ,毎年3万人以上も自殺者は出ないのだってば。
 唯一の方法は,経営者なり社長なりが,就業規則に真剣に取り組むこと。関心を持つこと。しかし,殆どの経営者や社長は,稼ぐことしか考えていません。そんなものなのですよ。


 従業員が会社を訴えるのも大変だし,金も掛かる。そうなると,労基署頼み,ですかね。「労働基準監督署の上手な利用の仕方」だとか,「悪徳管理職を窮地に追い込む方法」なんて本を出した方が,人々は興味を持つかも知れません(笑)。そういう本を出してほしいですね。
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マツダ工場暴走 精神鑑定検討
何かっていやあ精神鑑定なのな [ふっ/]何でもかんでもやりゃあイイってもんじゃねーだろ。人を殺すなんてまともな神経じゃできねーんだから異常があるに決まってるし、相手が一人でも、無差別に複数でも変わりゃ... [続きを読む]
時々時事爺 2010/06/26/Sat 22:48
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