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おっさんのロックンロールな日記

リンゴ・スター 『リンゴ・スター&ヒズ・オール・スターバンド』 第2章 その1
 最近,1990年前後のアルバムを聴くコトが,非常に多いのです。丁度,その頃に,ルーツ回帰/見直しみたいな流れがあったのね。ワールド・ミュージックのブームや,MTVアンプラグドなども,その流れから辿り着いたと思っています。その頃に出たアルバム,埋もれていたとか,僕がキャッチ出来なかったものを,今頃になって巡り会えたみたいなさ。でも,全く古くない。トラディショナルなものと,結び付いているから。しかし,1990年が30年も前だなんて,未だに信じられないけれどね(笑)。


 さて,偶然にも,今日のアルバムも,1990年リリースです。2020年で,アルバム・リリース30周年ですね。リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドの,最初のアルバムです。1980年代に半ば音楽活動引退みたいな状況にあったリンゴ・スターさんですが,このバンドの結成と同時にツアーを行って復活したのでした。このライヴ・アルバムが出た時,とても魅力を感じて,かなり直ぐに買いました。そして,2020年現在,リリース当時に気付かなかった魅力を再発見しています。


 リンゴ1989①


 時に1989年,この年,ザ・ローリング・ストーンズが,活動を再開しました。アルバム『スティール・ホイールズ』をリリース。全米3位・全英2位となるヒットとなり,8年振りとなるツアーも再開したのです。ポール・マッカートニーさんも,アルバム『フラワーズ・イン・ザ・ダート』(全米21位・全英1位)を引っ提げて,こちらはウイングス時代以来10年振りにツアーを再開したのです。そりゃ,これらの人達ほど話題にならなかった。でも,リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのニュースは,かなり嬉しかったのを覚えています。


 メンバーが,凄いのです。「5人目のビートル」とも呼ばれたビリー・プレストンさん(キーボード)に,ニュー・オリンズからドクター・ジョンさん(ピアノ)。ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンドのクラレンス・クレモンズさん(サックス)と,ニルス・ロフグレンさん(ギター)という2人。ザ・バンドから,リック・ダンコさん(ベース)とリヴォン・ヘルムさん(ドラムス)という2人。そして,元イーグルスの,ジョー・ウォルシュさん(ギター)。更にドラムスのジム・ケルトナーさんという,錚々たるメンバーであったのです。


 リンゴ1989②


 彼らがリンゴ・スターさんのバックを務めるだけではなく,逆にリンゴ・スターさんをバックに従え自らの曲も披露するのです。これがこのツアー・バンドの斬新さであったし,未だもって唯一無二の個性でしょう。このオール・スター・バンドは,もう10期以上となって,2020年現在も続いていますが,リンゴ・スターさん以外のメンバーは,毎回ゴッソリ替わっていきます。でも,今も続いているのは,この第1期のメンバーがヨカッタから。個人的にも,振り返れば,この第1期が,ベストのメンバーだと思っています。


 さて,アルバムに収録されているのは,全部で12曲。最初に聴いた時,僕は,「ザ・ビートルズとオールディーズが融合したアルバム」として,歓迎したのです。選曲の意図は不明だけれども,収録されているリンゴ・スターさんヴォーカルの5曲の中に,「ハニー・ドント」(カール・パーキンスさんのカヴァー。勿論,ザ・ビートルズで演奏していた曲である)と,「ユアー・シックスティーン」(ジョニー・バーネットさん1960年のヒットで,『アメリカン・グラフィティ』のサウンドトラックにも入っています)があるんですよ。


 リンゴ1989③


 そして,ジョージ・ハリスンさんと共作した「フォトグラフ」は,ザ・ビートルズみたいなものでしょ。それでなくっても,リンゴ・スターさんの存在が,ザ・ビートルズの一部なのだから。で,リンゴ・スターさんヴォーカルの曲だけじゃないのです。クラレンス・クレモンズさんの歌う「クォーター・トゥ・スリー」だって,ゲイリー・US・ボンズさんが全米1位とした1961年の大ヒット曲でしてね。これだって,オールディーズ。


 ちなみに,クラレンス・クレモンズさんとニルス・ロフグレンさんだけじゃなく,ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンドは,ドラムスのマックス・ウェインバーグさんが何度かツアー中にゲストで登場し,ニュー・ジャージーでのステージだったかでは,ブルース・スプリングスティーンさんまで出たコトがあったらしい。ザ・Eストリート・バンドって,オールディーズ大好きなバンドだったのですよ。ブルース・スプリングスティーンさんは,エルヴィス・プレスリーさんのファンでもあるしね。次回に続きます。



 


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